丙午(ひのえうま)の迷信はつづくのか?
2016/05/25
丙午とは?
ところで60種類の中でもとくに有名なものがあります。
あまり、良い意味で有名とは言えないのですが「丙午(ひのえうま)」がそれです。
十干の丙は五行で言うと「火」の性質、しかも陽性。
十二支の「午」も五行で言うと「火」の性質、しかも陽性。
陽性は陰性に比べて勢いが盛んなのです。
これが2つ重なってしまったのが「丙午」なんです。
このことから迷信が生まれました。
丙午の年には火事が多い。
60年に一度しか来ないけど、火事は怖いものだし、火の用心的な注意喚起とも思えます。
それだけならいいんですが、もう1つの迷信が厄介なんです。
それは丙午の年に生まれた女性は気性が激しい。
結婚した相手を不幸にすると言われたりしたんですね。
これが世の中に広まります。
あくまで迷信です。迷信。
丙午の出生数が減少。
暦の暦注とか、陰陽とか、五行とか世の中のどれだけの人が信用しているかはわかりませんが、けっこう信じているんですよ。
それがわかるのが、昭和41年の出生数。
昭和41年は丙午の年だったんです。
つまり、この年に女の子が生まれると、将来ちょっと心配。
ということで、この年の出生数は136万974人でした。
少子化と言われる近年からすると多いんですけどね。
最近の出生数は100万人ぐらいです。
2014年に誕生した赤ちゃんは最少で100万1000人らしいです。
昭和41年の136万人に話を戻します。
今からすると多い出生数。
でも、その前年、昭和40年は182万3697人。
次の年、昭和42年は193万5647人。
丙午の年の出生数は、50万人ぐらい少ない!
グラフで見ると谷ができてしまいます。
やっぱり自分の子どもに苦労をさせたくないという親心の現れでしょうか。
丙午の迷信は結婚に関わるところが特徴なんですよね。
自分がそんな迷信は気にしないと思っていても、もし相手が気にする人だったら…。
娘は嫁に行けないかもしれない。
あえて、丙午に子どもを産むことを避けたんでしょうね。
その気持ちわかります…。
八百屋お七の影響?
八百屋お七という江戸時代の物語があります。
そのお話の中で、恋のために放火事件を起こす娘が出てきます。
お七という娘。
事件の結末は、お七が火あぶりの刑にされてしまうんです。
このお七がなんと丙午の生まれ。
そのことが丙午の迷信に拍車をかけてしまいます。
丙午の年に生まれた女性は、亭主を食い殺すなんて恐ろしい迷信まで。
それは極端ですが、亭主を尻に敷き、命を縮めるとか…。
何度も言いますが、あくまで迷信です。
実際に、丙午の年に生まれた方の結婚に影響があったかはわかりません。
とにかく、40年ぐらい前まではこの丙午の迷信が生きていたってことはわかります。
まだ生き続けるのでしょうか?
次回は2026年にまた丙午がやってきます。
もうすぐと言えば、もうすぐ。
また出生率は下がるのか?
それとも、あれからだいぶ科学も進歩した時代。
迷信は気にされないのでしょうか?
ちょっと興味深いですね。
迷信を消し去ることは難しい?
ところで、丙午は火の性質が重なるから気性が激しいという理屈ですよね。
じゃあ、水の性質が重なる壬子(みずのえね)の年は?
陽性ではなくても火の性質が重なる丁巳(ひのとみ)の年は?
全然問題にされていません。
だからやっぱり迷信。
迷信ってこれだから怖い。
一度作られて広まってしまった迷信を消し去ることは難しいんですよね。
どうやったら消えるんでしょうか。
「丙午は迷信ですよ!」って言ったら逆効果です。
知らなかった人まで、丙午って何?ってなっちゃう。
すぐに検索しちゃう。
これだけインターネットが普及している現代。
さらに10年以上未来の時代。
2026年に近づいて、丙午の話題が出ないということは考えにくいですよね。
60年周期で伝わる丙午の迷信って考えさせられますね。
一生のうち、2回来るか来ないかなんですけど。
私たちも未来に伝えるべきことは、しっかり伝えていかなければなりません。
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Comment
己巳ではなく丁巳でしょうか?
丁巳でしたね。ありがとうございます。