明治の改暦と大隈重信と福沢諭吉とお金
新年が始まる1月1日は「New Year」を祝って世界中で盛り上がります。
でも国ごとに違ったカレンダーを使っていたら世界中が同じ日に新年を迎えるとは限らないわけですよね。
世界中で太陽暦という暦が使われているからこそ、世界で同じ日に盛り上がるんですね。
日本は遅れた太陽暦の採用。
ところで日本が太陽暦を採用したのは諸外国に比べて少し遅れています。
明治になってからです。
江戸時代の末期には外国との貿易も始まりました。
やっぱり、そこでは暦の違いによる不便があったみたいです。
その頃、アメリカは太陽暦、日本は太陰太陽暦。
日付の違いや休日の違いがあるわけです。
不便だったことは想像できますよね。
外国の人をアルバイトで雇ったら、今日は自分の国では祝日だと言う。
だから休みますってことになったら、まぁ休むのはいいけど、ちょっとイライラする。
突然の改暦!
明治5年の11月9日に突然ともいえる発表があります。
「その年の12月3日を次の年の1月1日にする」
いきなりの発表。
これが明治の改暦なのです。
12月3日に突然、来年のカレンダーになるということですよ。
しかもそれは発表から1カ月以内。
いくらなんでも急すぎませんか?
もし、急にこんなこと言われたらどうでしょう。
びっくりするけど、そうなんだーって感じでしょうか。
でも1年ぐらいは余裕が欲しいですよね。
心の準備のために…。
実際、明治の改暦のとき、混乱したみたいです。
そんな混乱を巻き起こした明治の改暦。
その舞台裏で活躍した2人の有名人がいます。
大隈重信と福沢諭吉です。
この2人、なんかセットのイメージありますよね。
立場は違いますが、このときに活躍した2人でもあるんですね。
改暦と大隈重信。
まずは大隈重信から。
なぜ、明治政府は、突然、改暦を断行したのか?
誰もが思うこの疑問に大隈重信が答えています。
当時、明治政府の参議という立場であった大隈重信。
太陽暦は1年が12カ月です。
一方、太陰太陽暦では1年が13カ月の年があります。
これは閏月があるからなんですね。
1年が13カ月になる年は3年に1回。
実は明治5年の12月3日が明治6年の1月1日になったと言いましたが、明治6年というのは、そのまま旧暦を使っていた場合には13カ月ある年だったんです。
その前の年、明治4年には公務員の給料を年俸制から月給制へと変えていました。
もし、このまま明治6年になってしまうと、給料を1カ月多く払わなければいけません。
このときの明治政府の財政は厳しかったんですね。
それで、太陽暦への改暦が検討され、12月3日に実行されたのです。
大隈重信は改暦の直接の担当ではなかったようです。
でも、かなり関心を持っていて、アドバイスしていたみたいですね。
関連記事:
カレンダー屋さんは大変!
これによって困った人は誰でしょう?
いろんな人がいろんな迷惑をこうむったと思われます。
暦師も困りました。
当時は誰でもカレンダーを作って良いわけではなかったんです。
暦師とはカレンダーを作るプロの人たちのことです。
11月9日に発表されても、もうすでに来年の暦はできていた。
10月には作ってしまっていたんですね。
ということで、明治6年は太陰太陽暦の暦と太陽暦の暦の2つが存在するそうです。
カレンダー屋さんは買った人から返金を要求されるという事態に!
さらに、来年の暦はたくさん売れ残ってしまう。
多額の損失を背負ったそうです。
それにしても給料を出したくないから1年を1カ月少なくするために改暦??
給料をもらう方からすると、ひどい話ですよね。
きっと来年は13回も給料がもらえるって期待していた人、絶対いますよね。
改暦と福沢諭吉。
もう1人、福沢諭吉は何をしたかというと、大儲けしました。
太陽暦に変わったわけですが、急に太陽暦になったこともあり、以前と何が違うのかよくわからない。
普通の人はそんなものです。
太陽暦とか太陰暦とか暦の種類を知らなければ、暦とはそんなもので、これといって不便も感じていなかったの人が普通でしょう。
そして、保守的な日本。
改暦は良くないものだという批判的な声も上がります。
そこで、太陽暦に関する啓蒙書が数多く出されます。
これは太陽暦が何なのか、つまり太陽暦の解説本です。
その中で光っていた解説本があります。
その本こそ福沢諭吉の書いた「改暦弁」。
この本には他の本と異なる良さがあったんです。
太陽暦の仕組みやメリットが庶民にもわかりやすく解説してあったこと。
たとえば、こんなことが書いてありました。
「日本のみなさん、新しいカレンダーを怪しいと思う人は馬鹿です」
わかりやすい!
さらに、
「怪しまない人は天才です」
なるほど!
さらに、
「だから、新しいカレンダーは、日本人を天才と馬鹿に分けるものなんですよ」
うん、わかりました、改暦賛成!
新しいカレンダーをしっかり勉強しよう!
私が勝手に今の言葉になおしましたので、ちょっとニュアンスが違うかも。
福沢諭吉のスゴイところは、この解説本を6時間で書き上げたことです。
それが10万部の大ヒット。
そして利益が1500円。
1500円?
6時間で1500円。
ということは時給に換算すると250円。
たった?
時給750円のアルバイトを2時間やれば大ベストセラー作家の福沢先生を超えられます!
時代は変わりましたね。
このような歴史の中で、今の便利なカレンダーがあるってことです。
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