暦注は迷信?でも欠かせない存在
2015/01/02
暦注とは暦に記載された注記事項のことです。大安や仏滅などは六曜といって暦注の1つです。
暦注は平安時代の暦にもある。
日本では平安時代の暦にはすでに暦注があって、日の吉凶を見るものとして貴族に利用されていたそうです。
そして江戸時代には各地の暦が作られて一般の人にも広がっていきました。
暦注は一般の人にとっても生活する上での必要な情報となっていったようです。
暦注によって冠婚葬祭の日取りを決めたり、いつ、何をすべきかの指針として活用するわけです。
たとえば、暦に「入梅」という言葉があれば、田植えをする時期の目安としていたんですね。
節分には年末行事として豆まきをして邪気を払うということが行われました。
暦注には季節をわかりやすくする24節季や雑節のほか、その年の福徳をつかさどるという歳徳神、方位の善し悪しに関係する方位神といった日の吉凶、方位の吉凶を表すものなどがあります。
迷信だから批判される暦注。
科学的な根拠がない情報は批判されるのはよくある話です。
たしかに暦注には迷信のような情報も含まれますので、それが批判の対象となることもあるわけです。
それでもなお暦注が現代も生き続けているんですよね。
今もカレンダーや運勢暦などに記載されていることを見ると、人々にとっては欠かせないものなんですね。
実際、明治時代に太陽暦を採用する改暦が行われた際に正式な暦から迷信的な情報が削除されました。
そこで暦注は消えてしまってもおかしくなかったんですが、そうは行かなかったようです。
「おばけ暦」という偽の暦が登場して出まわります。
おばけ暦は政府の取り締まりから逃れるために、偽の名前を使った発行所が作成した暦。
発行人の正体が不明であることから「おばけ暦」と言われたそうです。
もちろんおばけ暦には暦注が記載されていたわけで、一般の人には受けがよく、正式な暦をしのぐ売り上げがあったとも言われているそうです。
その後、統制が厳しかった戦時中を超えて、戦後になってようやく堂々とした形で暦注が普及することになりました。
暦注は日本人の文化。
暦注をよく見てみると、いろんな情報の中に思想のようなものがあって、それは生活の知恵でもあっておもしろいし、とても感心します。
歴史を振り返ると、迷信だからといって批判するのはかんたんなことですが、人々の間から取り去るのは難しいものだったようです。
日本人の中には1つの文化として根付いているものなんですね。
機会があったら暦注にどんな情報があるのか見てみてください。
迷信とはわかっていても興味深い内容が多く、つい惹きこまれてしまうかもしれませんよ。
近所の稲荷大社の縁日にも関係があるし、土用の丑の日のうなぎにも関係があるし、お彼岸のお墓参りにも関係があるし、暦注が生活に入り込んでいることを実感できると思います。
迷信として避けているよりも、もっと生活が楽しいものになるかもしれません。
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