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錦帯橋は世界に名高い木造5連式アーチ橋だ!

橋をテーマにした旅行なら絶対に外せない橋があります。 山口県の岩国市にある「錦帯橋」です。 日本の有名な橋と言えば、真っ先に思いつくのが錦帯橋で間違いありません。 そして、錦帯橋は日本だけではなく、世界的にも有名なんですよ。

世界の錦帯橋の魅力とは?

錦帯橋は、錦川にかかる橋。その川幅は200メートル。その錦川を5つの橋で渡ることができます。 5連の橋、これが錦帯橋の特徴です。魅力は何と言っても見た目の美しさじゃないでしょうか。 5つのアーチがきれいなんですよね。

橋の構造といった観点で見ると、すべてがアーチ橋ではありませんよ。 よく見てみてください。5つともアーチを描いていますが、1番目と5番目はちょっと違うんです。 この2つは桁橋という種類になりますね。 橋桁(人が渡る水平な部分)の下に杭があります。 この杭で橋桁を支えているんです。

一方、2番目から4番目の橋は完全なアーチ橋。 しかも錦帯橋は木造。ここが重要。 木造多連式アーチ橋と言うそうですが、これが世界でも珍しい橋なんです。 だから、世界的に有名な錦帯橋なのです。

錦帯橋の歴史

もともとは江戸時代に造られた橋です。 岩国藩三代藩主、吉川広嘉が造ったそうです。 岩国城の城下町を錦川を越えて作る必要があり、まず作ったのが木桁橋。 木桁橋の強度はそれほど強くなかったんですね。 あっという間に洪水で流されました。 錦川に頑丈な橋を作ることは、岩国藩の人たちにとってどうしても必要なこと。 そこで登場したのが5連のアーチ橋です。

なぜアーチ橋にしたの?

なぜ5連のアーチ橋にしたのか。これにはいろんな説があるんです。 私は3つ目を押したいんですけどね。

1つ目は、中国の広州の西湖にある橋の絵を見てヒントを得た。 その絵では石の橋だったそうです。 2つ目は、毛利藩や幕府からの使いが来た時に、歩いて渡らせるため。 反りが大きいアーチ橋を渡るには歩くしかないですもんね。 そして3つ目。 藩主であった広嘉が、火鉢でかき餅を焼いていて、かき餅が反りかえってひらめいた。 やっぱり、3つ目がグッときますね。

橋が完成したのは1673年。かき餅でひらめいた広嘉は誇らしい気分で眺めたことでしょう。 ですが、翌年には、アーチ橋も流されてしまいました。 橋の脚の部分の石が崩れたそうです。 でも、このときの工事で、錦帯橋は頑丈な作りに生まれ変わりました。 そして1950年まで。 なんと276年間も橋が流されることはなかったそうです。 もちろん補修は繰り返されて、架け替え工事も行われながら維持されてきたんです。

錦帯橋にも存続の危機!

観光地にありがちなのが、なくしてしまった方がいいみたいな地元住民の意見。 たしか、天橋立でも同じようなことを聞きましたよね。

岩国の場合、維持費用の負担が大きい。 アーチ橋じゃなくてもいいんじゃないか。 平らな鉄の橋にしたらどうか。 こんな話があったんですね。 ですが、橋を保存することを選択。 守り続けてきました。 私たちのような観光者からすると、とてもありがたいことです。 でも、その裏には地元の方たちの負担があることを忘れてはいけませんね。

架け替えられた錦帯橋

276年間も流されなかった錦帯橋でしたが、1950年に流されちゃいます。 この年の台風キジアによる洪水は真ん中の橋脚を崩壊。 2つのアーチ橋が流れてしまったのです。 このときも、しっかり改良。 橋脚には鉄筋コンクリートを。橋桁には防虫防腐剤を。 そして、また数十年、経過することができました。

ところが、1988年の調査。 強度に問題はないが、橋桁に腐朽が始まっているという結果が出ます。 そして、2001年から3年かけて5つの橋の木造部の架け替えが行われました。 錦帯橋のような重要な建造物は、技術を伝承していくことが重要です。 そこで、架け替えは地元の大工さん。 これを「平成の架け替え」と言うようです。 このとき、前回の1950年の架け替えに携わった人は、たった1人。 しかもそのとき16歳。 ほとんど、はじめての作業のようなものですよね。

世界中を見ても珍しいアーチ橋を架け替えるのは、難しい作業だったようです。 でもこうして、技術は伝承され、頑丈な橋として錦帯橋が維持されるんですね。 そして、このとき橋には、地元の子供たちが未来へのメッセージを書きました。 素敵な話です。

5連の木造アーチ橋、錦帯橋。 ぜひ、いつか見に行ってくださいね。

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