歴史上の鬼門にまつわるエピソード

凶方位と言うと、良くない方位のことですね。

金神とか大将軍とか怖い神様がいる方位。

だから、その方位へ旅行するのは良くない。

引っ越しするのも良くない。

そんなことが言われたりするんですよね。

東北の方位を「鬼門（きもん）」と言ったりします。

方位神は毎年場所を変えたりします。

でも、鬼門はずっと固定されています。

鬼門はいつの時代も東北の方位。

このことから、鬼門はどちらかと言うと、地相や家相を見るときに使う気がします。

鬼門の方角には建物を建ててはいけない。

玄関やトイレを作ってはいけない。

鬼門に出口を作ると盗難に遭う。

いろんなことが言われます。

いずれにしても凶方位であることは間違いないようです。

昔からある鬼門。

ここでは、鬼門に関するエピソードを紹介します。

歴史の中に登場する鬼門です。

これは文献に記載のあるものだそうです。

929年のある日。

鬼門の方位に門があり、その近くで鬼の足跡と見られるものが見つかりました。

930年のある日。

午後６時ごろ、大きな流れ星が出ました。

その流れ星は東北の方（鬼門の方角）に流れ、そこで雲になってしまいました。

931年、鬼が現れました。そして、やがて消えました。

この鬼の特徴は、身長が約３メートルとの情報です。

当時のトップニュースだったかどうかはわかりませんが。

「古今著聞集」という書物に残されている記録です。

鬼、来てましたね。

それも、鬼門の方位に。

もう少し紹介します。

643年の元日の朝。

五色の大きな雲が空を覆いました。

ですが、このとき東北の方だけ雲が欠けていました。

地上には青い霧が発生しました。

この年、聖徳太子の子が蘇我入鹿に殺されて、聖徳太子一族が全滅しました。

678年のある日。

鳥の大群が空を覆いました。

鳥は西南から東北の方（鬼門の方角）に向かって飛んでいきました。

その日に、九州地方で大地震が起こって、人家が倒壊しました。

鳥は「アトリ」という鳥とのこと。

アトリの特徴は、黒に黄色の縞模様がある不気味な鳥です。

684年のある日。

午後８時ごろ、７つの星が一緒になりました。

そして、東北の方へ流れて落ちました。

その２日後、大きな星が東に落ちました。

そして、夜８時ごろ、星が雨のように降りました。

古くから、東北の方位にあまり良い印象はないみたいですね。

でも、昔の話。

どこまで本当かはわかりません。

では、比較的最近の話。

1930年ごろのお話です。

関東大震災の後、７年間で東京の市長が７人も変わりました。

そのとき市長室は東北の方位にあったと言います。

つまり鬼門の方角ですよね。

たまたまでしょ？

そう思いますよね。

私もそう思います。

でも、このとき、市長室を鬼門である東北の方位から、吉方位とされている西南の方に移したそうです。

意外と信じてる…。

これ以外にも鬼門対策はあったみたいです。

デパートでは、屋上の鬼門の方位に神社を作ったり。

住宅では、鬼門の方位に猿の彫刻で「鬼門さる」ということにしたり。

鬼門の方位に梨の木を植えて「鬼門なし」にしたり。

鬼門は、少なくとも気にされてたということが言えそうです。

江戸城は鬼門を意識しています。

鬼門鎮護として浅草の浅草寺。

その先には筑波山。

これらが江戸城の鬼門を守っています。

さらに二代将軍秀忠は、東叡山寛永寺を鬼門の方位に作ります。

そもそも東叡山の「叡」という字。

どこかで見たことありませんか？

比叡山の「叡」と同じです。

比叡山延暦寺というのは有名なお寺。

あのお寺は、平安京から見た鬼門の方位にあるそうです。

比叡山は平安京を鬼門から守る存在なんですね。

だから、東叡山は「東の叡山」という意味らしいです。

鬼門と反対側。

西南の方位。

こちらも凶方位と言われています。

「裏鬼門」と言われます。

東北から西南のラインは凶相ということになりますね。