暦や方位の中にある五行(木・火・土・金・水)
このブログでは、九星のベースには陰陽五行説があることを書きました。
でも、それは哲学で、そういった考え方があるというだけ。
その考え方が人々に普及していくためには、身近なものと結びつく必要があります。
そして結びついたものが方位や暦なんですね。
こうして、人々の生活にも陰陽五行の考え方が入り込んでいるんです。
関連記事:
五行と十干の関係。
陰陽五行説と暦の関係を見てみましょう。
方位で言うと、たとえば北を子(ね)という十二支で表しますが、その両隣には「壬」と「癸」があります。
壬と癸も方位を表すものです。
この字、普通の人は、なんと読むのかわかりません。
私も最初はわかりませんでした。
調べてみると、壬は「みずのえ」、癸は「みずのと」と読むんですね。
「みずのえ」というのは「水の兄」、「みずのと」というのは「水の弟」といった意味になります。
まず「水」に着目します。
水というのはどこから来たんでしょうか?
そうです。
五行ですね。
五行の「木・火・土・金・水」の中の水です。
だから、方位を表す言葉には水だけでなく、木も火も土も金もあるんですね。
木は、甲(きのえ)、乙(きのと)
火は、丙(ひのえ)、丁(ひのと)
土は、戊(つちのえ)、己(つちのと)
金は、庚(かのえ)、辛(かのと)
かのえ、かのとの「か」は金のことです。
全部で10種類あります。
これが「十干」と言われるものです。
たとえば、2015年は乙未なんですね。
一般的には未年(ひつじどし)ってことまでしか意識しないかもしれませんが、乙という干があるんです。
年や月や日を表すときに干支が使われますが、そこに五行の要素が含まれていたんですね。
五行と十二支の関係。
次に十二支を見てみます。
子・丑・寅…と続いて12の動物が出てくるもので良く知られています。
これらにも五行が含まれています。
子は水、丑は土、寅は木いうように決められているんですね。
五行はいろいろなものに当てはめられていますが、季節もその1つです。
春は木、夏は火、秋は金、冬は水なんですね。
そして、土は季節の移り変わりのこと。
十二支の中での春は寅と卯と辰なんです。
だから、寅と卯には五行の木の性質がつきます。
辰は春から夏への移り変わりとして五行の土の性質がつきます。
そうすると、十二支は以下のように分類されます。
春(木)…寅・卯
夏(火)…巳・午
秋(金)…申・酉
冬(水)…亥・子
季節の移り変わり(土)…辰・未・戌・丑
これで十干と十二支がそれぞれ五行の性質を持つことになりますね。
さっきも例に挙げたように、年や月や日は十干十二支で表すことができます。
たとえば、乙未ですね。
乙(きのと)は木の性質、未は土の性質ということがわかります。
十干と十二支で2つの性質があると、今度はその関係性にも五行が踏み込みます。
相生(そうじょう)と相剋(そうこく)の関係です。
その関係によって、日の吉凶を決めていたりするんですね。
五行と方位の関係。
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